4月14日に全日本個人総合選手権 男子決勝が群馬県高崎で開催され、橋本大輝選手(22=セントラルスポーツ)が見事に4連覇を達成しました。
橋本選手はすでにパリオリンピック代表に内定しています。
残りの4枠は今大会の得点と、5月に同じく高崎で開催されるNHK杯がパリ五輪2次選考会を兼ねており、
合計点上位2人と、団体チーム貢献度の高い2人の計4名が決定される予定です。
今回は気が早いですが、一足先にパリ五輪体操男子代表を勝手に予想して五輪熱を高めていきたいと思います。
橋本大輝が全日本選手権 個人総合4連覇達成はキング内村航平以来
個人総合全日本選手権の結果です。
- 橋本 大輝 176.164点 セントラルスポーツ
- 岡 慎之助 172.264点 徳洲会体操クラブ
- 萱 和麻 171.596点 セントラルスポーツ
- 杉野 正尭 170.498点 徳洲会体操クラブ
- 土井 陵輔 169.797点 セントラルスポーツ
- 田中 佑典 169.764点 田中体操クラブ
- 松見 一希 169.098点 徳洲会体操クラブ
- 三輪 哲平 169.063点 セントラルスポーツ
- 川上 翔平 168.863点 徳洲会体操クラブ/星槎大学
- 長谷川 毅 168.730点 徳洲会体操クラブ
優勝した橋本大輝選手の種目別結果です(数字は演技順。( )は種目の最終順位)。
- 床 15.000(1)
- あん馬 15.133(1)
- 吊り輪 14.166(11)
- 跳馬 15.100(1)
- 平行棒 14.766(9)
- 鉄棒 13.800(15)
合計 176,164(1)
吊り輪、平行棒、鉄棒で順位を乱しますが、床、あん馬、跳馬の全6種目中の前半3種目で1位となり、貯金をためた形となり、結果的に2位とは4点近くの大差をつけて4連覇を成し遂げました。
個人総合4連覇達成はキング内村航平以来であり、史上6人目の偉業です。
橋本選手の得意種目であり、1位をとなった床の演技は↓でご覧ください。
【速報】#体操 全日本選手権 男子個人総合
— NHKスポーツ (@nhk_sports) April 14, 2024
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4連覇目指す #橋本大輝 選手
素晴らしい演技に場内からどよめき!
ゆか15.000点
大会の見どころなど番組ページへhttps://t.co/1nzkd5aYqt pic.twitter.com/c1OpCNwf2M
【パリ五輪】体操男子代表メンバーを予想
気が早いですが、勝手にパリ五輪代表選手 5名を勝手に予想していきます。
①橋本 大輝(はしもと だいき)
名前 | 橋本 大輝(はしもと だいき) |
生年月日 | 2001年8月7日(23歳) |
出身 | 千葉県成田市 |
学歴 | 順天堂大学 |
体操歴 | 6歳~ |
コーチ | 冨田洋之 |
競技成績 ※シニア大会のみ (学生大会省略) | 2019年 世界体操競技選手権団体総合3位 2019 体操個人総合スーパーファイナル個人総合優勝 2021年 全日本体操個人総合選手権個人総合優勝(4月18日) NHK杯体操選手権個人総合優勝(5月16日) 全日本体操種目別選手権種目別鉄棒優勝(6月6日) 東京五輪 団体総合2位(7月26日) 個人総合優勝 種目別鉄棒優勝(8月3日) 世界体操競技選手権個人総合2位、種目別鉄棒2位 2022年 全日本体操個人総合選手権個人総合優勝 NHK杯体操選手権個人総合優勝 全日本体操種目別選手権種目別床3位 世界体操競技選手権(英国リバプール)個人総合優勝、床運動2位 2023年 全日本体操個人総合選手権個人総合優勝 NHK杯体操選手権個人総合優勝 2024年 全日本体操個人総合選手権個人総合優勝 |
橋本選手はすでにの大会でパリ五輪代表に内定しています(23年12月の体操協会理事会にて決定)。
パリ五輪では恐らく男子団体の主将(キャプテン)を務めるでしょう。
もしかしたら五輪日本代表団の主将も務めるかもしれません。
内村航平という偉大過ぎる先輩の後釜として橋本選手は日本の男子体操界を引っ張っています。
東京五輪個人総合金メダル(種目別鉄棒でも金メダル獲得)、その後の2022年世界選手権 個人総合金メダルと2連覇中であり(内村航平に次いで二人目の快挙)、国内でも個人総合4連覇と大活躍です。
名実ともに世界No.1のチャンピオンである橋本選手がパリ五輪でも日本男子団体の中心となることは間違いありませんね。
体操は日本においてはマイナースポーツの類に入ると個人的に思っていますが、橋本選手はそれくらいのハイキャリアの持ち主なのです。
②岡 慎之助(おか しんのすけ)
名前 | 岡 慎之助(おか しんのすけ) |
生年月日 | 2003 年 10 月 31 日(20 歳) |
出身 | 岡山県 |
学歴 | 星槎大学 |
体操歴 | 4歳~ |
得意種目 | 吊り輪 |
競技成績 | 2019 世界ジュニア体操競技選手権大会 団体 金メダル 個人総合 金メダル 種目別 あん馬 銀メダル 種目別 平行棒 銅メダル 2020 全日本高等学校体操競技選抜鯖江大会 個人総合 3位 種目別あん馬 3位 種目別ゆか 2位 2021 全国高等学校総合体育大会 個人総合 3位 種目別あん馬 3位 種目別平行棒 3位 2024年 全日本体操個人総合選手権 個人総合2位 |
岡選手は2019年のジュニア選手権で個人総合優勝を果たし、体操界のホープと期待されていました。
しかし2022年4月の全日本選手権決勝で右膝を負傷、前十字靱帯断裂の重傷を負ってしまいました。
怪我の期間中、日本選手が不得意な「吊り輪」の強化に取り組み、24年3月の公開試技会ではチームトップの得点(85.400)をマーク。
今大会では見事に2位の成績を残し、代表入りに大きく近づきました。
今大会個人総合10位の選手の中で、岡選手の吊り輪は6位で一番順位が高く(吊り輪1位の選手は個人総合24位の金田希一選手)、日本代表入り後も貢献度が高いと言えます(ちなみに橋本選手の吊り輪は11位)。
年齢もまだ若く、伸びしろが大きいので今後の活躍に期待です!
③萱 和麻(かや かずま)
名前 | 萱 和麻(かや かずま) |
生年月日 | 1996年11月19日(27歳) |
出身 | 千葉県船橋市 |
学歴 | 順天堂大学 |
体操歴 | 8歳~ |
得意種目 | あん馬、平行棒 |
競技成績 | 2019年 世界ジュニア体操競技選手権大会 2019年 全日本選手権 – 個人総合:2位 2019年 NHK杯 – 個人総合:3位 2019年 世界選手権 – 団体:3位 個人総合:6位 平行棒:3位 あん馬:5位 2020年 全日本選手権 個人総合:優勝 2021年 全日本選手権 個人総合:3位 2021年 NHK杯 個人総合:2位 2021年 東京オリンピック 団体:2位 あん馬:3位 2023年世界選手権 – 団体:優勝 2024年 全日本選手権 個人総合2位 |
萱選手は橋本選手同様に東京五輪出場経験があり、表彰台にも上がっています。
23年の世界選手権では8年ぶりの団体総合金メダルに貢献し、大舞台に強く安定した選手です。
今大会でも3位と好成績を残せ、特に日本が弱いあん馬においては安定感がある選手なので、このまま順当に五輪の切符を手にすると思われます。
④杉野 正尭(すぎの たかあき)
名前 | 杉野 正尭(すぎの たかあき) |
生年月日 | 1998年10月18日(25歳) |
出身 | 三重県 |
学歴 | 鹿屋体育大学大学院 |
体操歴 | 6歳~ |
得意種目 | あん馬、鉄棒 |
競技成績 | 2017 第71回全日本種目別選手権 あん馬 1位 2017 FIG種目別チャレンジカップ・パリ大会 あん馬 1位 2019 種目別チャレンジカップ・ギマランイス大会 あん馬 1位 2019 第73回全日本種目別選手権 あん馬 1位 2021 第75回全日本体操種目別選手権 種目別鉄棒 3位 2021 第54回全日本シニア体操競技選手権大会 個人総合 2位 種目別鉄棒 1位 |
杉野選手はこれまであまりメディア・表舞台にたった選手ではないため(キャリアは申し分ないですが)、知らない人が多いかもしれません。
というのも、東京五輪代表の最後の1枠を巡って、選考会最終日(全日本選手権)で北園選手と一騎打ちになり、ベストパフォーマンスを発揮したにも関わらず、結果的にケガからミラクルな回復をして好演技を披露した北園選手に負けてしまったのです。
今大会では杉野選手は北園選手を大きく引き離し、4位と好成績を残すことができました。
今大会で杉野選手は得意種目の鉄棒で1位となりました。
また、日本が弱いあん馬でも3位と好成績を残しており、団体貢献度が大きいことから代表入りするものと予測しています。
⑤土井 陵輔(どい りょうすけ)
名前 | 土井 陵輔(どい りょうすけ) |
生年月日 | 2002年1月7日(22歳) |
出身 | 福岡県 |
学歴 | 日本体育大学 |
体操歴 | 6歳(小学校1年)~ |
得意種目 | 床 |
競技成績 | 2019 年 世界ジュニア選手権 団体金メダル 個人総合銀メダル 2022年 全日本選手権 個人総合3位 NHK杯 個人総合3位 世界選手権 団体銀メダル 種目別 床 銅メダル |
土井選手は橋本選手と同じく2024年4月よりセントラルスポーツ所属で同期です。
橋本選手同様に美しい体操が持ち味で、完成度の高い演技でチームに貢献してくれるでしょう。
橋本選手と同い年で22歳とまだ若く、とにかく「美しい体操」を徹底している黄金世代の土井選手も今大会で好成績を残せました。
このチャンスを絶対に逃さず5月のNHK杯で好成績を残して代表入りするものと予想しております。
セントラルと徳洲会の2派が代表を独占か
今大会の上位5名はセントラルスポーツ体操クラブと徳洲会体操クラブの名門2クラブで固められました。
パリ五輪代表も順当にいけば今大会上位5位の選手が代表入りするものと予測しており、セントラルスポーツと徳洲会体操クラブの2大名門クラブが代表を独占しそうです。
かつて内村航平、加藤凌平、田中佑典などの日本代表を擁し「コナミ一強」時代を築いたコナミスポーツクラブは今大会では上位10位にも入っておらず、体操ファンとしては時代の変遷を感じざるを得ませんね。
セントラルも徳洲会が独占できたのも、人材育成を相当に頑張ったからなのでしょう。
なお、今回予想は今大会の上位者がそのまま代表入りする形と予想したものです。
東京五輪や直近の世界選手権で代表だった谷川兄弟(兄:航、 弟:翔)や北園丈琉選手は、今大会ではケガによるブランクやミスにより大きく出遅れました。
5月のNHK杯での挽回は厳しいだろう、との目論見で谷川兄弟と北園選手は残念ながら代表入りは厳しいだろう、と結果を予測しました。
【5月20日追記】NHK杯で代表メンバーが決定
5月19日のNHK杯で成績上位2名の岡慎之助と萱 和磨が選出され、チーム貢献度で杉野 正尭と谷川 航の2名が選出されました。
4月に開催された全日本選手権で優勝し23年12月時点でも既に内定が決まっていた橋本大輝とあわせ、5名の代表が決定しました。
【体操男子 日本代表メンバー】
- 橋本 大輝 セントラルスポーツ
- 岡 慎之助 徳洲会体操クラブ
- 萱 和麻 セントラルスポーツ
- 杉野 正尭 徳洲会体操クラブ
- 谷川 航 セントラルスポーツ
祝!団体決勝 日本金メダル
順位 | 選手名 | 合計 | ゆか | あん馬 | つり輪 | 跳馬 | 平行棒 | 鉄棒 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
1 | 日本 | 259.594 | 43.266 | 43.232 | 42.633 | 43.433 | 44.365 | 43.565 |
2 | 中国 | 259.062 | 42.532 | 43.566 | 45.266 | 42.099 | 45.833 | 39.766 |
3 | 米国 | 257.793 | 42.799 | 42.466 | 42.732 | 44.032 | 43.399 | 42.365 |
日本時間7月30日に男子団体決勝が行われ、日本は2大会ぶりに金メダルを獲得しました!
まとめ 【パリ五輪】体操男子代表メンバーはセントラルと徳洲会が独占
いかがだったでしょうか?
2024年夏にパリ五輪が開催され、「日本のお家芸」と言われている体操も盛り上がってくるかと思います。
今回は勝手に代表を予想しましたが、誰が代表になるにせよ、各選手ともに悔いの残らない最高のパフォーマンスを発揮してくれることを願っております。
ガンバ!
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