楽天は30日の記者会見を開き、後輩選手へのパワハラ疑惑が報道された安楽智大投手(27)について、報道されたパワハラ内容は概ね事実であると報告されました。
パワハラで告発された安楽投手は今後自由契約となるようです。
今回のパワハラ告発は契約更新時期に起こりましたが、契約更改の場で告発が相次いだようです。
告発があった背景には、チーム内の「年俸格差」による不満が根底にあり、更にいじめの被害にある不満も重なって被害者たる若手らが契約更改の場で「集団蜂起」した、との見方がでてきました。
契約更改を機に集団告発が発生?
今回のパワハラの背景について、事情を知る楽天OBによれば「若手が意を決して〝集団告発〟したという事実が何より重い」との情報があったようです。
今回のパワハラ報道は契約更改の時期にありました。
契約更改は選手達にとっては年俸はもとより、環境改善の貴重な場です。
今回は契約更改の場で被害を訴える若手選手らによって相次いで告発があったあった模様です。
生え抜き選手らの年俸格差の不満が強かった
楽天イーグルスの生え抜きの選手達はFA加入、出戻り組、外国人選手らとの年俸格差が大きく慢性的に不満が溜まっている、との見方があります。
楽天イーグルス内で推定年俸1億円以上の選手は12人います。
そのうち生え抜きはトップが松井裕:2億5000万円で次点は島内:1億2000万円。
それ以外は浅村:5億円や田中将大:4億7500万円ら10人はFA加入、出戻り組、外国人らで埋められている状況です。
昨オフの契約更改では生え抜きの主砲・島内宏明外野手(33)が年俸が上がらない状況に不満が大きく、改善要望がありました。
「毎年何のために頑張っているんだろう」「モチベーションっていうか、そういうところはデカい」との不満があったようです。
そのため、島内選手は4年契約の2年目であるにも関わらず、「来年、できるならFAさせてほしい」と突然球団側に要望したようです。
前出の同OBは「根底にはチーム内での不平等感が今も横たわっていて、その上で自分たちは理不尽なイジメにも遭っている。それを訴える場が契約更改しかない、ということが問題なのでは」とも語ったようです。
親会社 楽天グループの経営状況は?
生え抜きが冷遇され不満が燻っている状況ですが、運営母体である楽天グループの経営状況はどんな状況なのでしょうか?
楽天グループは赤字状態で厳しい経営状況
「楽天ゴールデンイーグルス」の運営母体※である親会社「楽天グループ」の経営状況は昨今赤字状態が続いており、懐事情は厳しいようです。
※球団運営は「楽天ゴールデンイーグルス」であるが、当記事ではその母体の経営状況について説明しております。
楽天グループの11月9日発表の2023年12月期第3四半期決算によると売上高は前年同期比9.7%増の1兆4912億円でした。
しかし、楽天モバイルへの先行投資が響いて営業損益▲1796億円となっており、ここ数年は赤字決算が続いている状況です。
昨年比では改善しているものの、依然として赤字幅も大きいことから当面は厳しい経営が続くとみられています。
有効原資はJ1優勝のヴィッセル神戸に?
一方、サッカーJ1では楽天がオーナーを務めるヴィッセル神戸が創設29年目に初優勝しています。
運営側としては厳しい経営状況で原資が限られている中では、J1優勝のヴィッセル神戸への配当増(報酬増)とするでしょう。
今季3位で終えた楽天イーグルス全体への配当増(報酬増)は厳しく、生え抜き選手だけでなく高年俸選手の原資確保も厳しい可能性もあります。
まとめ
球団にとって“毒”であった安楽選手は契約更改の場での集団告発を契機に退団の流れになり、一定の解決にはなるかと思われます。
しかし根底にある選手の年俸格差の問題はすぐには解決とはいかないでしょう。
当面はチーム内には年俸格差の不満がくすぶる状況が続くのかもしれません。
コメント